私は、北海道釧路市で典型的なサラリーマン家庭に生まれ、太平洋を見渡す丘の上で霧笛を子守唄のようにききながら育ちました。 読むことを覚え始めたのは3歳くらいから。10歳の頃には、大きくなったら小説家になる、と宣言しました。

英語との出会いは中学1年のとき。当時はこれが日本人が英語学習を始める典型的な年齢だったでしょう。 自分の考えを表現できる方法が他にもあったという発見に夢中になり、1年生の終わりには中学2年の教科書まで読破してしまいました。そのようなことで、変わった生徒がいると注目されたのでしょうか、2年生の夏休みに英語の先生から、トルストイの寓話集を翻訳するという、おまけの宿題をもらってしまいました。それが翻訳者への道の小さな第一歩になったとは、そのときは夢にも思いませんでした。

社会人となってからカナダの土に移植されるまで、まず船舶代理店で輸出の船積書類を作る仕事、その後、スウェーデンの国際企業の小さな地方営業所で鉄鋼製品販売の事務全般を担当しました。元々機械が好きな私のこと、顧客の質問を理解できるように女性社員にも製品や旋盤、フライス盤の基礎知識を、との提案が取り上げられて研修を受け、「男の人はいないの?」のひとことを封じることができました。

カナダへ来て、英語を日常語とするようになって二十数年になります。日系企業、公務員、会計事務所と、何度か転職しましたが、どの職場でも、日本語でのコミュニケーションや翻訳は仕事になくてはならない技能でした。

自分に合ったキャリアを求め、夜間のカレッジで勉強もしました。犯罪学に始まって、事務管理、経営管理、コンピュータ、そして法廷通訳。この法廷通訳課程ですばらしい先生と出会い、背中を押されるように翻訳者として独立してから12年が過ぎ、今では翻訳を天職と思っています。

私は昔から百科事典や辞書を読むのが好きです。おそらく本の形になっているものなら何でも読みたくなる人間なのでしょう。中でも科学一般、ギリシャ神話、ケルト神話、日本神話が好きです。熱中する趣味はクロスワードパズル、ジグソーパズル、クラシック音楽。特にニューヨークタイムズ日曜版のクロスワードパズルの大ファンです。また、小説家になるという子供時代の夢が目を覚まし、英語のショートストーリー創作を楽しんでいます。日本語のお話も書きたいと思いつつ。